グランピングが広げる可能性

キャンプは新たな舞台に突入しています。薄っぺらのタープ、汚れた寝袋、屋外トイレなんてもう必要ありません。これからは豪華なテントに、キングサイズのベッドジャグジー付きのバスに取って代わるでしょう。

いったいなぜでしょうか。

それは、アウトドアシーンに「グランピング」という言葉が生まれたからに違いありません。

glamorous × camping = Glamping

  グラマラス×キャンピング=グランピング

 

一見交わることのないふたつの単語が掛け合わされて生まれた造語、それが「グランピング」です。

騒然とした情報社会や人間関係から逃避できること、大自然の中で過ごせること、非日常なこと。

キャンプの醍醐味を享受できる。それでいながら時期による気温の過酷さや天候に左右される面、バスルームや道具の準備、現地でのセッティングなど数多く見受けられるネガティヴ要素を設備待遇で払拭したのです。キャンプには行きたいとは思うけど中々1歩踏み出せない。そう思っていた人々の背中を「グランピング」が優しく押しているのです。

「グランピング」はまだ記憶に新しい言葉ではありますが、歴史を辿ればモンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハン、イギリスの産業革命など重要なターニングポイントを経て今のグランピングがあるのです。

グランピングの進化過程

出典:http://ishige.syokubunka.or.jp/

起源は遡ること西暦1100年、初代皇帝チンギス・ハンが築き上げたモンゴル帝国にその原型が生まれました。家屋の「ゲル」です。遊牧民族は、伝統的な移動式住居ゲルを組み立て、快適に暮らせるようにベッドやテーブルなどの家具を置いて生活していました。このスタイルが、グランピングの原型だといわれています。そして現在のグランピングに近いカタチになったのが、18世紀後半から19世紀前半にかけてイギリスを中心に起こった産業革命です。

様々な分野の技術革新による工場制機械工業化や、蒸気機関の交通機関への応用による発達(蒸気船、機関車など)によって、非常に長くゆるやかな変化でしたが、産業革命後の社会の姿は激変していました。

工業化による恩恵を受け始め、収入と時間が増えた上流階級層らが「余暇を利用して都市から外へ向かおう」という趣向が広まりました。その動きに呼応するように頭角を現したのが「ルイ・ヴィトン」でした。圧倒的な先見の明とでも言いましょうか、ルイ・ヴィトンの発表した平で頑丈、かつ防水で、持ち運びやすいトランクを富裕層達がこぞって買い求めたそうです。グランピングの世界への扉も、このとき開かれたのでした。やがてヨーロッパでは近代キャンプが誕生。イギリスフランスを中心にレジャーの宿泊手段としてキャンプが行われるようになるのです。

英国から始まり、現在に到るまでキャンプの主流はやはり「テント」でした。が、グランピングにはもっと様々な様式があります。

「多少の不便さが醍醐味だろ!」「自給自足が鉄則だ。」と声を大にして言う「純粋なキャンプ」好きにとってみれば納得いかず腹立たしくもあるかもしれませんが、規模は着々と拡大されており一般的にも浸透しつつあります。日本各地に次々とグランピングリゾートがオープンしていますが、そのキャンプの形式は様々で、自分でしっかり組み立てるものから、あらかじめ提供されるホテル顔負けのラグジュアリーな空間まで。幅の利かせ方はデイキャンプやオートキャンプなど、キャンプの中にも種類がある中でもグランピングが随一でしょう。既存のグランピングの種類を以下に紹介します。

 

■サファリテント

オーソドックスな「サファリテント」スタイル。

グランピングの中では、一般的なキャンプのイメージに一番近いかもしれません。

開放的なテントの中、リラックスできる空間をもっと自分仕様にコーディネート。

■ティピーテント

ティピーとは円錐型のテントのことで、別名称「インディアンテント」とも呼ばれます。

もともとアメリカインディアンの平原に住む部族が住宅テントとして使用していました。

とんがり屋根が可愛いテントが魅力的で人気を呼んでます。

■ツリーハウス

「ツリーハウス」もお洒落な外観のモノが増えている印象を受けますね。

なんだか映画に出てきそうな世界観。

地に足をつけず、そびえ立つツリーハウスのミステリアスな雰囲気にワクワクを感じませんか?

ちなみに写真に写るデザインのツリーハウスは

北軽井沢 スウィートグラス 群馬・北軽井沢 にあります。

■トレーラーハウス

トレーラーハウスには、古き良きアメリカをイメージさせる自由な空気があります。

設備の充実したトレーラーハウスは季節や天候を問わず、快適にキャンプを楽しめる宿泊施設としても魅力的です。

キャンピングカーよりも定住に適した設備というのもトレーラーハウスの定義のひとつみたいです。

■キャビン

広々とした空間で悠々自適な時間を「キャビン」は与えてくれます。

キャンプでありながら、エアコンの完備やシャワーの心配をしなくてよいところは

キャビンの魅力であり、グランピングの人気がある理由の一つでしょう。

■ヨット

遂にグランピングはマリンレジャーにもその活動領域を拡大しています。

ナイトクルージングとはまた違った時間の流れ方があります。

そして、グランピングは外出というキャンプとは切り離せぬであろう概念すらも飛び越えた新ジャンルを提唱しました。

「自宅グランピング」という言葉をご存知でしょうか?

  • 仕事の都合でまとまった時間を確保できない。
  • 金銭面的な面で余裕がない。
  • せっかくの休みにわざわざ行くのが面倒くさい。etc…

実際、このような理由で行けない人が多いのも事実です。ならば、現地に行かなければできないという考え方を捨てて、「身近にその空間を作ってみてはどうでしょうか。」という考え方の共有。

すなわち「自宅グランピング」の勧め なのです。

ビジネスマンや芸能人の間で密かに人気を博している「自宅グランピング」には、ベランダ屋上の二ヶ所が主流です。

自宅にリラックススペースを創ってしまう一見斬新な発想ですが、一般的に広く知られたにはワケがあります。「ベランダ・グランピング」という言葉、日経トレンディより発表された2016年ヒット予測ベスト30にて8位に選ばれました。それによって「自宅グランピング」に注目が集まり周知されたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洗濯物を干すだけだったベランダにガーデニングを施し、テーブルにチェア、クッションを。それだけでもこれまでと全く違った景色になるはず。時間の流れをゆっくりと感じながらリラックスできる空間を身近に持つことで、少し心に余裕が生まれることでしょう。

続いて、屋上はどうでしょう。

出典:https://www.plus1livinghouse.com/

広くスペースを使える閉鎖感のない空間の屋上は自宅グランピングに最適です。

行きたい場所や居たい場所を逆に自宅に呼び込んでしまいましょう。

自宅グランピングのテーマは、きっとそこにあるのです。

出典:https://www.plus1livinghouse.com/

 

そもそもなぜグランピングが広まり始めたのか。その背景にはいくつかの要因があるでしょう。

大分類すれば、「健康志向」「ITとグローバル」「消費の価値観」に分けられます。

近年の長寿化と健康志向に対する意識の向上は年々増加傾向にあるといわれています。意識が内向きではなく外向きであることが挙げられます。IT社会のおそるべき進化の速さで私たちの生活は見違えるほど利便性を高めました。が、一方でいつどこでも誰かと繋がってしまうことめまぐるしい社会の変化のスピード情報過多などの幅広い概要からくるストレスにより、疲労感が増してきていることも後押ししています。これは現代グローバルのもたらした一面だといえるでしょう。また、時代の流れが「モノ消費」から「コト消費」へ移り変わってきているのも人気を集めている理由のひとつかもしれません。消費者の嗜好がモノの所有から、コトや経験に価値を置いている現在、自然のなかで非日常を体験できるグランピングは、とても有意義な“コト消費”といえるのでしょう。

自然に回帰でき、騒然とした日々から逃避できるグランピング。特化した施設も全国に増えています。

いったいどんなグランピング施設があるのでしょうか。以下にまとめてみました。

 

星のや富士

星のや富士

出典:timeout.com

山梨県にある「星のや富士」は、日本のグランピングの先駆けとなったところです。この豪華なリゾート施設が日本で初めてグランピングを導入し、それがきっかけとなりグランピングは日本で周知され人気になりました。この施設は、建築家や風景・光の演出家などのプロたちによってデザインされていて思わず見る目を惹きます。年間を通して「山麓の燻製づくり」や「樹海ネイチャーツアー」などのイベントも目白押し。リゾートと付くだけに「キャンプの醍醐味を味わいたいけど不便さが嫌だ。」という人たちには、ぴったりのスポットです。

星のや富士

出典:timeout.com

星のや富士の魅力は何といっても、どの宿泊施設からも富士山を一望できることでしょう。また広々とした共用のテラスでは、グリルでお肉を焼いたり、たき火を囲んでお酒を楽しむこともできます。このエリアには宿泊者しか入れないので、静かで落ち着いた雰囲気になっています。なにかアクティブなことをしたい気分なら、富士山の麓で乗馬したり早朝に河口湖でカヌーを楽しんだりするのもいいでしょう。リラックスしてただ景色の中に溶け込んでみるのも有意義な過ごし方の一つでしょう。

FBI

FBI

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兵庫県淡路島にあるFBI(First-Class Backpackers Innの略でアメリカのとは無関係)は、懐に余裕のあるキャンパー向けの素敵なキャンプサイトです。瀬戸内海で泳いだり、夜にはビーチで雰囲気のあるキャンプファイヤーを楽しむことができます。

FBI

出典:timeout.com

FBIの宿泊施設には、東京の一般的なアパートより広いテントがあったり、二人用の海辺のティピーテントがあったり、まるでファッション雑誌から切り抜いたようなかわいいコテージもあります。宿泊料は、6人用のキャビンで一泊28000円からです。

THE FARM

THE FARM

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千葉のTHE FARM(ザファーム)は、都心からたったの一時間半ですが、都会をはるか遠くに感じられるところです。「地方の生産者を活気づけること」を目的とする農林水産省のプロジェクトの一環として、THE FARMは、一般の人たちに自分で育てたものを食べる楽しさを知ってもらうために農業体験を多く実施していてます。

THE FARM

出典:timeout.com

THE FARMで出される食べ物は、すべて施設内で育てたものです。宿泊は、テントかコテージを選ぶことができ、どちらの場合も施設内の温泉を利用することができます。外で一日遊んだあとの温泉は最高です。

WILD MAGIC THE THIRD PARK

WILD MAGIC THE THIRD PARK

出典:timeout.com

グランピングは、今や都心でもできます。それができるのが豊洲の「アウトドアパーク」、ワイルドマジックです。スタイリッシュなデザインの1.6ヘクタールのサイトは、まるでテーマパークのよう。

WILD MAGIC THE THIRD PARK

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夜のバーベキューに必要なものは、カトラリーに、ナイフ、お肉や野菜まで全部付いています。特製のガーリックスパイスで味付けしたアメリカンスタイルのスモークステーキは、絶品です。

初島アイランドリゾート

初島アイランドリゾート

出典:timeout.com

都心に一番近い島、初島は、船でしか行くことができません。東海道線熱海駅近くの熱海港から船で25分です。初島アイランドリゾートには、テラス付きの巨大なテントに、プライベートデッキ、風呂トイレ付きのトレーラーがあります。バーベキューのメニューは、シーフードがメイン。新鮮なホタテやロブスターなどがあります。

初島アイランドリゾート

出典:timeout.com

夜には星空を、早朝には「島の湯」から朝日を楽しむことができます。ここの温泉は源泉が地下40メートルで、若返り効果のあるミネラルが豊富です。もし「衣食住」の中に自然の要素を取り込んでみたいと思うなら、初島はとっておきのスポットです。

まとめ

いかがでしょうか、グランピングの魅力に触れることができましたか?詳しくは各コラムをみてもらえればもっと理解が深まるでしょう、人生を豊かにするチャンスは意外と近くに転がっているものです。グランピングを通してその幅を広げて行きませんか。

素敵なグランピングライフを。